「9-nine-ここのつここのかここのいろ」について
・はじめに
「9-nine-ここのつここのかここのいろ(以下:9ここいろ)」との出会いは和泉つばす展でした。オフィシャルイラストに一目惚れしてしまい、初めてゲームを予約購入しました。
いいイラストですね。
発売日は2017/4/28だったのですが、購入後Comic1に行く都合上友人宅に預けていたらなかなか持ち帰るタイミングがなくこんな時期にプレイすることになってしまいました。
9ここいろは「9-nine-」シリーズの第1作目です。「9-nine-」シリーズは全4部構成(予定)で、既に2作目として「9-nine- そらいろそらうたそらのいろ(以下:9そらいろ)」の発売が発表されています。
ストーリーは学園SF?です。この辺の定義はあまり詳しくないので間違っていたらすみません。
価格は2800円(税抜)と比較的お求めやすい価格となっています。気になっている方は是非購入してプレイして頂けたらと思います。
さて、長い前置きはこのぐらいにして、ここからは総括を語っていきます。当然ながら本編のネタバレも含んでいます。
まだ本作を未プレイの方、これからプレイする予定の方はブラウザバックして本編クリア後に読んで頂ければと思います。
また、ここからはあくまで個人の見解です。それを承知の上で読んでいただければと思います。
・9ここいろについて
ゲーム全体を通じて演出がとても巧かったと思います。
本作の1周目は、選択肢が存在せず成すすべなく都が殺されてしまうバッドエンドから始まり、ホーム画面から都がいなくなります。
これは机を平行世界と見立てて都が死んでしまった世界線を示しているのだと思います。また、都の周りに舞っている桜の花びらと銀杏の葉。桜の花言葉は「優美な女性」銀杏の花言葉は「荘厳」と言われており、都の周りに舞っている花は都自身の性格にとても近似していることが解ります。そのため、バッドエンド後の画面だけに写り込む銀杏の葉は彼女の荘厳さから生じる融通の利かなさが原因であることの暗示であると考えられます。作中でも彼女自身が思考の固さに悩んでいるシーンがあり、自覚しているけど治せない欠点だったのかもしれません。
そして2周目。ほぼ同一のテキストですがここで初めて選択肢を選ぶことができます。1つでも間違えるとバッドエンドになる仕様は運命の強制力を思わせますね。
そして、数多の選択肢を超えて遂に告白のシーンに移ります。
都が主人公の告白に対し自分はあなたが思っているほど純粋な人間でないこと、自分の中にある好意を告白するのですが、返事の内容に沿って全体から顔へズームアップ、顔から手へパノラミングしていきます。素の自分を知ってもなおそれでも自分のことを好きでいてくれるのか。この時の彼女はお嬢様でもなんでもなく年相応の恋する乙女の顔をしていたことでしょう。そして、何より都が自分の意志で主人公の手を握っている描写は、とっさに行なった彼女自身の精一杯の意思表示であったのだと私には思えて仕方ありませんでした。
そのまま2人は付き合い石化事件の犯人?は自殺してハッピーエンドを迎えるのですが、意味深な描写を残して次回作である9そらいろへと続きます。
シナリオ面に関しては都の異能力であるスティールをうまく扱っていると感じました。多くの問題が未解決のまま次回作へ丸投げされていますが、全体の1/4だと考えれば妥当だと思います。そもそもまだメインヒロインの異能力さえ全て公開されていませんしこれで事件が解決してしまうほうが不思議です。次回作に期待しましょう。
神様からの導く言葉響くすべてはここから
感じる力密かに熱く解き放つ
意味もなく此処にいる訳じゃないよ
この情熱止められない
奪われた日常がただ眩し過ぎて…諦めない
鳴呼運命はその手に守りたい(You can change your destiny)
だからこの想い消えないように
裁かれし時切なさ押し寄せてくる
きっと逃れられないものさ
ED-ふたり-
ひとつの物語ふたりの出逢いから
これはプロローグかもしれない
すべて運命のイタズラそれならしょうがない
風に吹かれ髪が揺れて空見上げた
いつか夜に迷い込んでも
きっと光りは射し込むはずだから
あの空の向こう側にある 君もまだ知らない世界で
寂しい部屋戸惑う声揺れる想いがあっても
大丈夫強くはないけど傍にいるその手を離さない
信じている信じていて I just want tofeel you,always
<間奏>
譲れないこの気持ちが今溢れ出せばどんな未来も
きっと怖くないから進もう心は繋いだまま
Forever約束しよう(Promise…ah,forever)
あの空の向こう側にある君もまだ知らない世界で
寂しい部屋戸惑う声揺れる想いがあっても
大丈夫強くはないけど傍にいるその手を離さない
信じている 信じていて I just want tofeel you…どんなときも
明日へとふたりで歩き出そう前だけを見つめて